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サハラ砂漠でフルマラソン!?『世にも奇妙なマラソン大会』【本感想】

 

 サハラ砂漠でフルマラソンに挑戦!フルマラソンどころかハーフマラソンも走ったことがないマラソン超初心者の作者が酔った勢いで、サハラ砂漠で42.195km走る「サハラ・マラソン」に挑戦することになった。もう面白い。フィクションのような設定だがれっきとした「ノンフィクション」である。作者の運命やいかに?表題作以外にもいくつかの話が含まれるノンフィクション作品集である。

ラクダと一緒にマラソン!?

「これは…すごい!」

 見渡すかぎり砂と砂利しかない砂漠を走るアリのようなランナーや黄色い土埃にまみれながらアカシアの木の脇を走り抜けるサングラスをつけたランナーたち…。

 ほんとうにサハラ砂漠のど真ん中を走っている——。

(出典:『世にも奇妙なマラソン大会』)

 フルマラソンに参加するためにサハラ砂漠のある西サハラへと到着した作者。心も体もボロボロになりながら完走を目指す。

 国際交流も豊かである。現地人以外にも、ドイツ人、スペイン人、イタリア人と様々な国籍の人々が過酷なレースに参加をしている。はたして作者は走りきれるのか?

ブルガリアでの珍妙な出会い...

 表題作以外だと 「ブルガリアの岩と薔薇」もかなり面白い。一言で言い表すと、「ブルガリアで、ゲイのおじさんと、おじさんの家で一晩過ごす話」である。これはひどい。

 ところが、次の質問は首を傾げるどころではなかった。「君は男と寝たことはあるか?」と言うのだ。ギョッとした。

「いえ、そんな趣味はないですよ。あなたはあるんですか?」

(出典:『世にも奇妙なマラソン大会』)

  作者の貞操の危機を迎える(笑)。ブルガリアで女性初体験を迎えてしまったとか(笑)。

 

 インドに入国するために名前の変更を試みる「名前変更物語」も面白い。圧倒的に奇妙なノンフィクション作品集。ワールドワイドに笑いたい人は必見である。

 

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