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漫画ギーク記

漫画を中心にしたおすすめの面白い本について書いています

バスローブにワイングラスで100km歩く!ゆとり世代を舐めるな!!『時をかけるゆとり』【本感想】

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 「桐島、部活やめるってよ」で小説すばる新人賞を受賞しデビュー、「何者」で直木賞を受賞した朝井リョウさん。戦後最年少の23歳7ヶ月での直木賞の受賞となり、世間で話題になった。そんな朝井リョウさんの早稲田大学での大学生活を面白おかしく書いた短編エッセイ集が、「時をかけるゆとり」である。

 朝井リョウさんは、1989年生まれであり、正真正銘の「ゆとり世代」である。ゆとり世代の代表格としても語られることが多い。大学時代に行った、ワイングラスを片手にバスローブで100km歩く「地獄の100キロハイク」、マクドナルドで黒タイツのおじさんに遭遇した「黒タイツおじさんと遭遇する」、母親の所為で受験が大ピンチになった「母がいろいろと間違う」等々、爆笑間違いなしのエッセイが23編詰まった、爆笑エッセイ集となっている。

 

埼玉県本庄市から早稲田大学大隈講堂まで100km歩く。

 面白い話しの一つに「地獄の100キロハイク」があげられる。

 大学三年生の五月二十二日から二十三日にかけて、私は開催四十八回目を数える100キロハイクというイベントに参加した。100キロハイクとは【二日間変えて埼玉県本庄市から早稲田大学まで歩き通す】というドM行事である(ちなみに実際の距離は一二五キロだ)。しかも、全員仮装をすることが必須条件あるため、世界一長い仮装行列、とも呼ばれているという。参加すればもれなく「人生で最大の過酷さを体験できる」ともっぱらの評判だが、参加者は抽選制度を設けたところで毎年千人を超すらしい。この大学にはそんなにも多くの真性マゾヒストが眠っているのだ。

(出典:『時をかけるゆとり』)

とんでもないイベントがあったものだ。朝井さん曰く、「愚かなイベント」だとか(笑)。 この100キロハイクに朝井さんは、ワイングラス片手にバスローブで参加をすることになった。

  歩き始めた当初は、朝井さんもテンションが高くて楽しそう。

一区の休憩所に着いたのが確か午後一時くらいで、この辺りまでは全く余裕だった。「会いたかったー会いたかったー会いたかったーイエッ(イエスのところでワイングラスで乾杯)」と歌ったり写真を撮ったり写真を撮ったり、テンションはまだ高い。 

(出典:『時をかけるゆとり』)

 が、歩き続けているとそうも言っていられなくなってくる。朝井さんのだんだんと辛そうになっていく描写も正直おもしろい(笑)。十時間ほど経過したあとの描写がこちら。

私たちは「ううあ」「あう」等と悲痛な叫び声をあげながら、たまーにあるコンビニの駐車場に寝転び、湿布を貼りかえ痛み止めの錠剤を飲みまくり、足を心臓より上にあげたままの状態で魚肉ソーセージを食べた。

 何と残酷な画だろうか。生命力が溢れているはずの二十歳前後の男女が、石ころだらけの駐車場に寝転び、きったないフェンスにかかとを掛け、魚肉ソーセージの美味しさに黙りこくっている。

(出典:『時をかけるゆとり』)

 「真性マゾヒストたちもお手上げのドMプレイ」だとか。かなり過酷であったであろう体験を、面白おかしくコミカルに描いてしまうのも朝井リョウさんの文書力がなせる技であろうと思う。

 果たして朝井さんはゴールできるのか?気になる人はぜひ読んでみてほしい。

 

まとめ

 「地獄の100キロハイク」以外にも、友達とピンク映画を見に行ったら、友達が怪しいおじさんに襲われかけている現場を目撃することになる「ピンク映画館で興奮する」や、今度は東京から京都まで自電車で500km!走破する「地獄の500キロバイク」(こういうの好きだなぁ(笑))、朝井リョウが自分の就職活動について語る「自身の就職活動について晒す」等々、面白いエッセイが盛りだくさんとなっている。

 朝井リョウさんのファンの人はもちろん、朝井さんの作品を読んだことがないけど面白いエッセイで笑いたい、という人にはオススメできる本になっている。

 

 

dokusyo geek ki