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朝井リョウと古市憲寿が就活を語る。『「就活」という窓から見えるもの』【本感想】

 

 代表作に「桐島、部活やめるってよ」「何者」がある朝井リョウと「絶望の国の幸福な若者たち」の古市憲寿が二人で「就活」を語った対談本である。kindle版で108円とかなりお手頃。若手の社会学者と小説家が考えた現代の就活について語られている。

就活って気持ち悪いですよ。 

古市 就活って大変だなぁと思うのは、皆同じルールで、しかもある程度順序がわかるようなレースをしているから、ちょっとした差をお互いにすごく気にし合いますよね。スクールカーストとも似ている現象だと思うんですけど。

朝井 大学で、それぞれが活躍するマーケットが細かく分かれているからこそ、そこで専門性を発揮できてた人たちが、急に同じルールで戦うわけですからね。

古市 でも、それはもったいないし、なんか気持ち悪い。僕は就活をやったことがなにので、よくわからないですが。

朝井 いや、実際気持ち悪いですよ。

(出典:『「就活」という窓から見えるもの』)

 さすがの二人というか、トークもかなり切れ目で、就職活動に対して鋭い意見を放っている。二人のフィルタを通した就職活動が見えて面白い。なるほどなと感心させられるような会話も多々ある。

 

 朝井リョウと古市憲寿の作品を既読の人は、この二人ってこんな会話をするんだ、といった目線で読んで十分楽しめると思う。お互いの本に対する感想の言い合いも興味深い。108円と安いのもいい。就活生や就職活動、社会人について知りたい人にもおすすめ。

 

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