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恐怖のフクロウが東京を襲う。『邪眼は月輪に飛ぶ』【一巻完結】【漫画感想】

 

 「うしおととら」や「からくりサーカス」が代表作としてあげられる藤田和日郎が描いた一巻完結のダークファンタジーが、この作品「邪眼は月輪に飛ぶ」である。藤田和日郎は、ややダークなジャンルの作品を書くことを作風としているが、本作も実に藤田和日郎らしさのでた作品となっている。

たった一匹の「フクロウ」により、日本と世界が恐怖に襲われる。一巻完結のダークファンタジー作品だが、ストーリーが練りこまれていて実に密度の濃い作品となっている。

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 (出典:『邪眼は月輪に飛ぶ』)

 

「見られれば死ぬ」恐怖のフクロウが日本を襲う。

 東京湾で座礁した米軍の空母から、一羽の鳥が逃げた。そのことで多くの兵士が死ぬ。 さらに東京の街中にやって来たその鳥は、空前の死者を出す。 その鳥とは、その眼で見られた者はすべて死んでしまうという一羽の恐ろしいフクロウだった。

 かつて猟師仲間とともに、そのフクロウを一度は撃ち落とした鵜平は、米軍の要請を受けて、再び銃を取る――。

 掟はただ一つ、そのフクロウに見られた者は、みな死ぬ。

 そんなフクロウが東京に放たれてしまった。ただ、フクロウに見られただけで死んでしまうのだ。防ぐ手段は何もない。

 

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(出典:『邪眼は月輪に飛ぶ』)

 時速三四〇キロで、飛び回る「フクロウ」に人間はなすすべなく殺されていってしまう。三日経ったときには、東京は壊滅状態、動く者はいなくなっていた。カメラ越しでも関係ない。見られた生き物は全員死んでしまう。

 こんな可愛げのないフクロウは見たことがない!

 

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(出典:『邪眼は月輪に飛ぶ』)

 そんなフクロウを主人公の鵜平が、撃ち落そうと格闘する物語である。見られたら死んでしまうチート級のフクロウを撃ち落とす手段はあるのか!?

 

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(出典:『邪眼は月輪に飛ぶ』)

 

臨場感あふれる迫力のある絵

 戦ってるシーン等々、すべてのシーンで迫力のある絵が描かれている。作者の力の入れようがよく分かる。特に鵜平とフクロウの最終決戦シーンはとてつもない。あまりの迫力に作画のアシスタントがトーンを入れるなどの加筆・修正を全て拒否したとか。実際、作者のペンのみでそのシーンは描かれている。

 このシーンの絵を見るためだけでも、読んでみる価値がある!

 

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(出典:『邪眼は月輪に飛ぶ』) 

 極めて密度の濃い、驚愕する作品となっている。藤田和郎作品が初めてでもそうじゃなくてもぜひ読んでみよう。必見だ。

 

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