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十角形の奇妙な建物で起こる連続殺人事件『十角館の殺人』【小説おすすめ】

 

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学の推理小説研究会の7人が訪れた。

過去にこの島では連続殺人が起こったといういわくつきの場所だった。

そんな島に彼らはスリルを求めて足を踏み入れてしまった。

お互いを推理小説の作家の名で呼び合う彼らは、彼らの愛する小説のように次々と殺されていくことになる。

果たして、犯人の正体とその動機は?

綾辻行人による小細工なしの王道ミステリー小説の名作。衝撃の真相が待ち受ける。

 

「十角館の殺人」のここが面白い

全てが十角形の建物、十角館

十角館の特徴はその名のとおり、十角形──それも正十角形──を地に描いた外壁の形状にある。

この外まわりの大きな十角形の内側に、中央 ホールの小さな十角形を嵌め込み、それぞれの十個の頂点同士を直線で結んで十個のブロックを作る。

云い換えればこれは、中央の正十角形のホールのまわりを、ちょうど十個の等脚台形の部屋が取り囲んだ形である。

(出典:『十角館の殺人』)

 

この奇妙な建物に泊まることになった7人の同級生。

十角館は孤島に立っているがために何があっても誰も逃げることはできない。

完全な密室の中のこの島では、かつて連続殺人事件が起きていた。

それには十角館を建てた建築家の中村青司が強く関わっている。

 

過去の殺人事件

かつて、同じ場所で起きた事件の概要は以下のようになっている。

島の中村青司邸が炎上、そして全焼。焼け跡から、中村青司と妻の和枝、住み込みの使用人夫婦の計四人が死体で発見された。

使用人夫婦は二人ともロープで縛りあげられたうえで、斧で頭を叩き割られていた。

和枝夫人は、ひも状の凶器で首を縛りあげられ窒息死。当主の青司は全身に灯油をかけられて焼死をしていた。

そして、庭師が一人行方不明のままで見つかっていない。

謎が多く残る過去の事件。そして、同じ場所で推理小説研究会の彼らも殺されていくことになる。

 

お互いのニックネーム

ポウ、カー、エラリイ、アガサ、オルツィ、ルルウ、そしてヴァン。

彼らが所属する推理小説研究会は、全員が海外の有名作家の名前で呼び合う習慣があった。

そして、この人物たちが一人、また一人と命を失っていくことになる。

 

終わりに

というわけで、『十角館の殺人』を紹介した。

国内ミステリー小説の古典的な名作で閉ざされた空間での連続殺人事件が描かれる。

推理小説が好きならば「間違い」のない一作である。

 

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