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肉じゃがの謎を追う物語。『東京発 異世界行き』【一巻完結】【漫画感想】

 

刑事吉田は普通の人間ではない特殊な能力を持っている。 

それは相手が持っているものを食べると、その人間が最後に食べたものがわかるという能力。

姉川と吉田のコンビは大学生殺人事件を担当することになる。

そして被害者の大学生の家でご飯を食べると、被害者が最後に食べたのは「レトルトカレー」と「肉ジャガ」だった!

...だからなんだよ!!

しかし、まさかまさかの展開でこの「肉じゃが」が事件を読み解く鍵となるのだ。

代表作に『ヒナまつり』がある大武政夫による一巻完結漫画がこの『東京発 異世界行き』である。

本作は肉ジャガの話「最後の晩餐」の他に、「銀行強盗は同窓会の始まり」「一生消防士宣言」「異世界文化交流記」などの短編で構成される。

基本、ゆるい雰囲気でゆるい登場人物たちが日常系作品となっている。

 

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(出典:『東京発 異世界行き』)

 

肉ジャガの物語「最後の晩餐」

刑事吉田が特殊能力によって得た、被害者は最後に「肉ジャガを食べていた」との情報。

ここから何故か物語が展開していってしまう。

 

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(出典:『東京発 異世界行き』)

 

被害者の生活態度から考えて自分で肉ジャガを作るとは思えない。

ということは、どこかに肉ジャガを作ったやつがいる!

同じアパートの住人に話を聞くと、なんと隣の部屋の住人も下の階の部屋住人も昨日肉ジャガを食べていた。

な......なんなんだこのアパートは肉ジャガパーティーでもしてるのか?

もう殺人事件の犯人なんてどうでもいい。

そして、予想の斜め上で物語は収束する。

 

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(出典:『東京発 異世界行き』)

 

「銀行強盗は同窓会の始まり」

「銀行強盗は同窓会の始まり」も面白い。

高校の同級生の純平、太一は銀行強盗をすることにした。

ギャンブルでヤミ金に借金を作り、完済人になろうと闇サイトを使って犯罪をしようと考える。

そして、掲示板で待ち合わせをして実際に会ってみるとその人物は高校の同級生だった。 

 

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(出典:『東京発 異世界行き』)

 

凶器をポケットに忍ばせ、いざ銀行強盗を実行しようと受付へと向かう。

しかし、そこにいた受付嬢もなんと高校の同級生だった!

犯罪を企む二人に同級生、同級生と同級生の嵐。

人との過去のつながりによって二人の計画は想定外の方向に転がっていく。

 

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(出典:『東京発 異世界行き』)

 

最後に

というわけで、『東京発 異世界行き』を紹介した。

まずは、設定やシチュエーションを提示してそれを裏切っていくとの流れの短編が多い。

そして、まさかまさかの着陸をする。

ゆるい日常系漫画のゆるい人物達で想定外の裏切りに会いたい人にはおすすめの作品となっている。

 

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(出典:『東京発 異世界行き』)

 

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