
『HUNTER×HUNTER』『レベルE』『幽遊白書』の作者である人気漫画家・冨樫義博の初期作品を集めた短編集がこの『狼なんて怖くない!!』である。
冨樫義博のデビュー作「とんだバースディプレゼント」などが収録されている。
狼男・ドラキュラ・幽霊などの妖怪が登場する短編が多い。
どちらかというと『幽遊白書』や『レベルE』に近いような雰囲気の作品が多く載っている。
冨樫義博による野球漫画も載っていたりする。
全6編で一巻完結のマンガ。
(出典:『狼なんて怖くない!!』)
『狼なんて怖くない!!』の見所
この漫画は短編集である。
冨樫義博らしい短編がいくつも収録されている。
個人的に特に面白かったものを二つ紹介したいと思う。
「とんだバースディプレゼント」
まず、デビュー作「とんだバースディプレゼント」が面白い。
宇宙のとある惑星の王子が地球で様々なトラブルを起こしていく漫画『レベルE』が冨樫義博も代表作にある。
この王子は天才的な頭脳に最悪の性格を持っているとの設定だが、『レベルE 』の中に、小学生5人組が王子の作った「魔王を倒す冒険に出るリアルRPG」を強制的にやらされる話がある。
(出典:『レベルE』)
これを読むとこの話の原点はこの短編にあったのだなと良くわかる。
「とんだバースディプレゼント」では不良の高校生が天才博士の作ったを”疑似体験マシーン”によるゲームに巻き込まれる。
この話も『レベルE』の話に似て、「竜王を倒すとクリアなリアルRPG」を攻略していく話になっている。
(出典:『狼なんて怖くない!!』)
「狼なんて怖くない!!」
表題作の「狼なんて怖くない!!」もいい。
実は狼男である高校生が、正体を隠して日常生活を送っている。
しかし、狼男であるが故の苦悩やトラブルを抱えていってしまうことになる。
王道な正体を隠して生きて行く妖怪系の漫画と思いきや最後にちょっと意外な展開が待ち受けている。
(出典:『狼なんて怖くない!!』)
まとめ
というわけで『狼なんて怖くない!!』を紹介した。
今回紹介した短編以外にも「ホラー映画の精が願いを三つ叶えてくれる話」や「オカルト探偵団による話」なども収録されている。
表紙はポップな雰囲気だが中身とはかなりのギャップがあってホラーやオカルト寄りな作品が多い。
冨樫義博の初期作品に興味がある人やホラーよりの面白い短編を読みたい人にはオススメの作品である。
(出典:『狼なんて怖くない!!』)
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