
日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。
エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。
オフィスは過剰なまでに厳重なセキュリティを誇っていた。
監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が唯一事件を起こせる容疑者として逮捕されてしまった。
弁護士・青砥純子は無罪を主張する専務の弁護をすることになった。
しかし、専務以外の人間が殺人を犯したとすると事件は密室殺人となってしまう。
密室の謎が解けない青砥純子は苦肉の策として防犯コンサルタント・榎本径に調査の依頼をした。
「黒い家」「青の炎」などが代表作にある人気ミステリー作家・貴志祐介による「密室の謎」をテーマとした「防犯探偵・榎本」シリーズの第一弾。
二人で協力して密室で起きる不可解な事件に挑んでいく。
日本推理作家協会賞受賞作。
「硝子のハンマー」の見どころ
防犯コンサルタント・榎本径
探偵役の榎本径は防犯ショップ「F&Fセキュリティ・ショップ」店長兼防犯コンサルタント。
防犯に関するプロフェッショナルで防犯カメラ、鍵など防犯に関することにならなんでも深い知識をもっている。
しかし、その知識は侵入者から家などを守る側というよりかは侵入する側に特化している。
一旦、密室の謎を解く依頼をした弁護士・青砥純子もその知識の偏りに、表の顔は防犯コンサルタントだが、裏では現役の泥棒では?と疑念を抱いていくことになる。
容疑者宅への勝手な侵入あり、盗みもありな「泥棒」を探偵役として密室を解くミステリー小説である。
厳重に閉ざされた事件現場
殺人事件は介護サービス会社のあるオフィスビルの最上階の社長室で起きた。
オフィスは過剰なまでに厳重なセキュリティを誇っていた。
オフィスビルの入り口には警備員を配置し、中には防犯カメラに赤外線センサー、エレベーターは暗証番号を入力する機能付きで、さらには社長室の窓ガラスには強化ガラスがはまっていた。
事件の状況からどう考えても殺人は専務にしか行えなかった。
だが、過剰すぎるセキュリティからもこの会社に何かきな臭いものを感じる。
青砥純子と榎本径は閉ざされたオフィスの密室の謎を解き明かすことに挑む。
終わりに
というわけで、『硝子のハンマー』を紹介した。
弁護士と防犯コンサルタント兼泥棒が密室での殺人事件の謎に挑む王道の推理小説。
密室の謎とタイトルの意味がわかったときの衝撃がすごい。
「黒い家」「青の炎」などが代表作にある人気作家・貴志祐介によるミステリー小説。
面白い王道の推理小説が読みたい人にはおすすめの作品である。
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