
世の中にはムダな努力が溢れている。
努力には「時間」も「労力」も「お金」もかかる。だから努力も「選別」する必要がある。
人生を消耗する前に知っておきたい「努力論」を元マイクロソフト社長で「HONZ」代表の成毛眞が語ったのがこの本である。
いくら「努力」しても報われるとは限らない。だから自分のやりたいこと、好きなこと、得意なことで思う存分に本領を発揮する。それが成功への最短距離である。
だから、ムダな努力をしている暇はないのだ。
今している努力は本当に必要なものなのか?
もっとも「自分らしい」生き方を考え直すきっかけとなる本となっている。
「このムダな努力をやめなさい」のここが面白い
世の中には「ムダな努力」であふれている
努力をすれば必ず報われる。
ムダな努力などない。
昔からよくいわれる精神論だ。
とりわけ一定の成功を収めた経営者などが嬉々としていう言葉である。
もうそろそろ、真実をいってもいい時期ではないか。
努力をしても必ず報われるわけではない。
ムダな努力はこの世にあふれている。
今の日本では、努力をしても報われないことがあるのだ、と。
(出典:『このムダな努力をやめなさい』)
戦後、焼け野原から日本を復興させた時期は、確かに努力をすれば報われていた。世の中が貧しくて何もない状況にあり、国民が一丸となって国を豊かにしようとしていたからだ。
日本には伸び代がかなりあり、努力さえしていれば日本の成長の恩恵をある程度は受けることができた。
だが、今の日本はこれ以上の成長は難しいほどに豊かな国となってしまった。皆が生活に困らないだけの物をもっている。
皆が目指すべき大きな目標はすでになくなってしまった。そんな中で必死に努力したところで果たして報われるのだろうか?
努力したことに見合うだけの「何か」を手に入れることができるだろうか?
努力が支払う代償
「努力」が多くの代償を支払っていることに気づいていない人は多い。
努力には「時間」がかかる。時間がかかるということは「お金」や「労力」もかかるのだ。
そういった「コスト意識」がないと、ムダな努力を重ねてしまうことになる。
たとえば、仕事でたいして使わない英語の勉強に数百時間のコストを支払う価値はあるのか?
コミュニケーション能力という生まれながらの資質や性格に大きく依存する能力を伸ばすための勉強をするだけの価値はあるのか?
たしかに、どんな能力も一定の時間をかけて努力をすれば成長するだろう。だが、それだけの「時間」というコストを支払うだけの価値があるのかという問題である。
「努力」にはコスト意識を持つことが重要だ。
だから、努力も「選別」する必要がある。
努力をすることに価値などない
努力をしたことは尊いなどとよく言われている。
だが、努力したこと自体はただの自己満足で、努力したことに価値などは決してない。
その努力の結果、何を手に入れたかが重要なのだ。
ムダな努力の結果、報われることは決してない。
そんな暇があるなら自分の「好きなこと」「得意なこと」「やりたいこと」をやって自分の人生を楽しく生きた方がよっぽどマシである。
終わりに
「このムダな努力をやめなさい」を紹介した。
成毛眞による努力論が書かれた本で、世に溢れるムダな努力が鋭い弁舌でバッサリと切られる。
自分の生き方や時間という限られたリソースを人生のどの部分にかけるのかなどを考え直したい人にはおすすめの本である。
読了後には自分にとっての「面白い人生」が見えてくる。
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