上杉謙信には実は”女”だった説がある。
「越後の虎」と言われ武田信玄とのライバル関係や、敵対していたにも関わらずに情けをかけた「敵に塩を送る」などが有名でファンも多い戦国武将である。
この説には俗説だったと笑えないほどの明確ないくつもの根拠が存在する。
上杉謙信”女説”を本気で描いた漫画が『雪花の虎』である。
人気漫画家、東村アキコによって上杉謙信”女説”が語られている。
(出典:『雪花の虎』)
「上杉謙信」女説の根拠
根拠① 生涯独身であった
上杉謙信は生涯、伴侶を取らずに独身であった。もちろん、子供は一人もいない。
これは、跡取りを残すことが一つの大きな仕事である戦国大名としては考えられないほどに珍しいことである。
実は意外なことに、謙信が生きた時代に女性の城主は珍しい存在ではない。
淀城の城主、淀君や井伊家の井伊直虎、筑後の立花誾千代と全国には多くの女性城主がいたことは確認されており、彼女らは国を守るために采配を振るっていた。
謙信もそんな女性城主の一人だったのではとの説がある。
(出典:『雪花の虎』)
根拠② 謙信は女性だけの病気で死んでいた
謙信は「大虫」という、現代でいう婦人病で死んでいたとはっきりと記されている。
当然、男がかかる病気ではない。
生前の謙信は、毎月十日前後に腹痛を発し、合戦中であったとしても部屋にこもることがあったという。
周期的に発生する月に一回のこの症状は、月経だったのではないだろうか。
これらの事実もまた、謙信女説を補強する。
(出典:『雪花の虎』)
根拠③ 肖像画が女性にも見える
最も有名な謙信の肖像画では、謙信には無精髭が生えた強面な男として描かれている。
だが、この肖像画は謙信の死後に書かれたものである。
聖徳太子、源頼朝、西郷隆盛と有名な肖像画が実は本人ではなかったとの例は数多く存在する。
そして、謙信が生きている時代に書かれた唯一の肖像画は、女性にも見えてきてしまう。
(出典:『雪花の虎』)
根拠④ 謙信のことを語り継いだ歌
越後に伝わる歌の歌詞に、謙信のことを”男もおよばぬ大力無双”と歌われている。
男のことを、”男に勝る剛力”などと言うだろうか?
さらに、謙信は大柄であったと言われているが、甲冑から推測される謙信の身長は約百六十五センチほどしかない。
男にしては「小柄」である
これは女性にしては、「大柄」だったとのことではないのか。
(出典:『雪花の虎』)
終わりに
というわけで、『雪花の虎』を紹介した。
人気漫画家・東村アキコにより、謙信”女性説”を元に描いた漫画であり、これを読むと”上杉謙信”が女としか思えなくなってくる。
俗説だったとは笑い飛ばせないほどの強い根拠がある。
上杉謙信の幼少時代からの生涯を追っている作品で、万人におすすめできる面白い漫画となっている。
(出典:『雪花の虎』)
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