
人間嘘発見器、演説名人、天才スリ、精確無比な体内時計の四人が集まったとき、銀行強盗が始まる。
それぞれ独自の特技を持つ四人組は、いつものように銀行強盗を計画して実行した。
だが、思わぬ邪魔によりせっかく盗んだ四千万円を盗られてしまう。
奪われた”自分たちの金”を取り戻す。
だが、自体は彼らの想像の斜め上を行く、思わぬ方向へと進んで行ってしまった。
伊坂幸太郎による、陽気な銀行強盗を扱ったミステリー小説。
ポップな雰囲気で物語は進んで行く。
「陽気なギャングが地球を回す」のここが面白い
銀行強盗・四人組
二人組の銀行強盗はあまり好ましくない。二人で顔を突き合わせていれば、いずれどちらかが癇癪を起こすに決まっ ている。縁起も悪い。たとえば、ブッチとサンダンスは銃を持った保安官たちに包囲されたし、トムとジェリーは仲が良くても喧嘩 する。
三人組はそれに比べれば悪くない。三本の矢。文殊の知恵。悪くないが、最適でもない。三角形は安定しているが、逆さにするとアンバランスだ。
それに、三人乗りの車はあまり見かけない。逃走車に三人乗るのも四人乗るのも同じならば、四人のほうが良い。五人だと窮屈だ。
というわけで銀行強盗は四人いる。
(出典:『陽気なギャングが地球を回す』)
こんな文章から物語は始まる。
普段はそれぞれ普通に暮らしている彼らは、銀行強盗をするために集まる。
そう、銀行強盗をするには四人組がいいに決まっている。
特技を持った天才、四人組
成瀬は、仕草や表情、話し振りから人の嘘を見抜くことができる「人間嘘発見器」。
響野は、でてくる言葉の過半数が嘘ではないかと言われるほどに口が回る「演説名人」。
久遠は、スリをさせれば右に出るものはいない「天才スリ」。
そして、四人組の中の紅一点の雪子は「正確無比な体内時計」を持つ。息子の出産にかかった時間は五万八千三百秒だったと覚えている。
四人がタッグを組んだときに銀行強盗が起こる。
完璧な計画の中で起きた事件
いつも通りに銀行強盗を成功させて、雪子の運転する車で逃走する。
上りは、四千万円。平等にわけて一人あたり一千万円。
計画は寸分違わずに実行されて後は逃げ切るだけだった。
だが、横から飛び出てきた車に運転していた車は停められ、フロントガラスに弾丸が撃ち込まれた。
終わりに
というわけで、『陽気なギャングが地球を回す』を紹介した。
それぞれ独自の特技を持つ四人組が銀行強盗をする物語。
伊坂幸太郎による小説で、ポップな調子で話は進んで行く。
物語の中で、最後にどんでん返しもある愉快で面白いミステリー小説となっている。
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