
お前たちの中に鬼がいる……。
高校教師の須永彰は薄暗い地下牢のような場所で目覚めた。
なぜこんな場所にいるのか。前後の記憶も曖昧で全くわからない。
そして、自分の目覚めた部屋から外に出ると、そこには五つの部屋に鎖で繋がれた五人の女性がいた。
自分たちの中にいる鬼を殺し、謎の地下牢からの脱出を目指すサスペンス小説。
いつ殺されるかわからない不安定な世界で彼らは疑心暗鬼にとらわれる。
「お前たちの中に鬼がいる」のここが面白い
六人の囚われし者たち
高校教師の須永彰は、地下牢に囚われている五人の少女たちと話をした。
彼女らは両手、両足を四本の鎖で縛られている。
そして、なぜか自分のポケットには彼女らを監禁する部屋と鎖の鍵が入っていた。
高校生の小坂彩、仲原瑠夏。いたずら好きの中学生、桜庭マリ。26歳で教師嫌いの浅倉加奈子。
そして、平和に話し合いをしようとしたら突然襲ってきた謎の女。
六人は協力しようとしながらも、お互い信じることができずに疑心暗鬼になりながら、地下牢からの脱出を目指す。
「鬼を殺せ」のメッセージ
目覚めた須永彰は、「お前たちの中に鬼がいる......」とのメッセージをみた。
この”ゲーム”は過去にも同じものが開かれた形跡があった。
そして、彼らは殺し合いをしていた。
鬼とは、自分たちの命を狙う”悪魔”のような存在なのか。
自分たちの中の鬼を殺さなければこの密室から脱出はできない。
「脱出ゲーム」のような世界観
この小説の世界観は、とある空間での謎を解いて逃げ出す「脱出ゲーム」や自分たちの中にいる人間を襲う獣を見つける「人狼ゲーム」などによく似ている。
数多くの謎を抱えた状況で疑心暗鬼に囚われて、殺しあう。
互いの優位は、男女の力差程度では逆転できないほどの”大きな仕掛け”によってたびたび逆転する。
優勢になったときに脱出へのヒントを探し、劣勢になったときに命を守るために足掻いていく。
終わりに
というわけで、『お前たちの中に鬼がいる』を紹介した。
とある高校教師が、鎖で繋がれた五人の女性を見つけるところから物語は始まる。
脱出ゲームや人狼ゲームのような世界観で話しは進んで行き、互いを疑い殺しあうサスペンス小説となっている。
次の瞬間にどうなるのかわからないハラハラした展開を楽しみたい人にはおすすめの小説である。
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