
人間嘘発見器、演説名人、天才スリ、精確無比な体内時計の四人が集まったとき、銀行強盗が始まる。
天才銀行強盗四人組を追う強敵が現れた。
今まで、完璧に銀行強盗の数々をこなして彼らだったが、とある週刊誌記者によってその正体がばれてしまった。
自分たちを脅迫してくる相手に対して、彼らは最大のピンチを迎えることになってしまう。
伊坂幸太郎による映画化もされた人気シリーズで、「陽気なギャングが地球を回す」「陽気なギャングの日常と襲撃」に続く第3弾。
ポップな雰囲気で進んでいくミステリー小説となっている。
「陽気なギャングは三つ数えろ」のここが面白い
どう考えても銀行強盗は四人組が最適である
銀行強盗が一人いた。
自由気儘に仕事ができる上に、打ち合わせもいらない。はじめのうちは良かったものの、だんだんと孤独を覚え、独り言が増える。
指を鳴らすと銀行強盗の仲間が一人でき、二人組となった。
会話を交わし作業を分担し、 楽しく過ごせたがやがて話題が尽きる。顔を合わせるだけで腹が立つ。楽屋でいがみ合う漫才師のように互いのことに苛々しはじめる。
再び指を鳴らす。仲間がまた一人増えた。
三人はいい。バランスが取れ、二人が喧嘩をすれば一人が仲裁に入れる。が、三人寄れば派閥が生まれる。これでは銀行強盗はそっちのけだ。テニスをやるにも、誰が審判をやるかで揉める。
三たび指を鳴らす。四人ならダブルスができる。
というわけで、銀行強盗は四人いる。
(出典:『陽気なギャングは三つ数えろ』)
男3人女1人の銀行強盗四人組は、今日もまたターゲットの銀行を襲撃していた。
いつものように、金を盗んで銀行から去ろうとしたそのとき、ひとりの警備員が立ち向かってきて久遠は左手に怪我を負ってしまう。
このことがきっかけで、彼らはかつてない最大のピンチを迎えた。
周りで起こり始めた異変
普通の生活を送っていた四人組の身辺でそれぞれ異変が起き始めた。
人間嘘発見器・成瀬は電車内で痴漢の濡れ衣をかけられかける。
精確無比な体内時計を持つ雪子の運転する車は当たり屋の襲撃を受け、久遠は道端で不良に因縁をつけられ、響野の家には詐欺師から電話がかかってきた。
同時期に起きたこれらの事件が偶然なはずがない。
何者かが、彼らのことを狙っている。
週刊誌記者・火尻
彼らを狙っている人物の正体は週刊誌記者の火尻だった。
久遠の怪我をした左手を見たことから、銀行強盗をした犯人ではないかと疑念を持ち脅迫を始めた。
彼の目的は金を得ること。
四人組は金を払いたくはないが、後ろ暗い身であるために記事にされるのは困る。
火尻の行動を何とか止められないかと彼らは動き始めた。
終わりに
というわけで、「陽気なギャングは三つ数えろ」を紹介した。
それぞれの才能を持つ四人組が銀行強盗を行っていくシリーズの第3弾。
彼らはチームを組んでからの最大のピンチを迎える。
ポップな犯罪者たちを見てみたい人にはおすすめの小説となっている。
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