
村の名士ロジャー・アクロイドが刺殺されているのが発見された。
シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめる。
犯人は一体誰なのか?その動機とは?
この謎に、村にたまたま滞在していた名探偵ポアロが腰をあげた。
ポアロは持ち前の頭脳で、この謎に「アクロイド殺し」に隠された謎に挑んでいく。
推理小説作家アガサ・クリスティーの名作といえば必ず名前が挙がる一冊である『アクロイド殺し』。
まさかすぎる”真犯人の正体”に度胆を抜くことになるだろう。
「アクロイド殺し」のここが面白い
村の医師、ジェームズ・シェパード
わたしと姉のキャロラインのやりとりについて書き進める前に、地元の地理について、多少とも説明しておいた方がいいだろう。
わたしたちの村、キングズ・アボットは、イギリスのどこにでもあるような、ありふれた村である。いちばん近い大きな町は、九マイル離れたクランチェスターだ。
村には大きな鉄道の駅と小さな郵便局があり、さらに、あらゆる品物を商う、いわゆる〝よろず屋〟が二軒、競い合っていた。
壮健な男たちはたいてい若くして村を出ていくが、未婚の女性や退役軍人はたくさんいる。村人たちの趣味と娯楽をひとことでいえば、噂話である。
(出典:『アクロイド殺し』)
この本では、アクロイドが殺された事件の謎を追いかけていく。
この事件の発生から解決までが村の医師「ジェームズ・シェパード」によって記録されており、その記録を読む形で物語は進んでいく。
また、シェパード医師は探偵ポアロを助ける”ワトスン”役も演じる。
シェパードが実際に見聞きしたことが、謎を解決するヒントとなる。
アクロイド殺し
村の名士のアクロイド氏が殺された事件。シェパード医師は、この死体の第一発見者となる。
明らかに人の手によって殺された死体であり、当然警察は犯人を探し始める。
アクロイド氏の子供や妹、姪。アクロイド氏の秘書に執事、家政婦など殺しを実行できた容疑者は複数人上がってくるのだが、”誰がどのように殺した”のか、決定的な手法が見つからない。
警察もお手上げ状態となってしまったところで、村に風変わりな男が滞在しており、それがその名を轟かせた名探偵ポアロであることが判明する。
何としても事件を解決したいアクロイド家の人々は、ポアロに事件の謎解きを依頼する。
名探偵ポアロの活躍
名探偵ポアロはアガサ・クリスティーの様々な小説に登場する人物で、天才的な頭脳を駆使して古今東西ありとあらゆる”謎”を解き明かしてきた。
ポアロは、「たとえ事件の裏にどんな事情が隠されていても、最後まで徹底的に全てを洗いざらい明らかにしてしまうこと」を条件に依頼を受ける。
ポアロが動き始めたことで、アクロイド殺しの謎は少しづつ明らかになっていく。
この事件の”真実”がわかったときの衝撃がすごい。
時代を超えて愛される傑作であることがよくわかる内容となっている。
終わりに
一人の男が殺されたことから始まる一連の騒動を描いた小説『アクロイド殺し』。
ミステリーとしての出来が非常に素晴らしく、衝撃を受けること間違いない。
名探偵ポアロと”ワトスン”役のシェパード医師のやりとりに要注目。
誰が読んでもその面白さに文句なしのアガサ・クリスティーによる名作ミステリー小説となっている。
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