
”鋼人七瀬”
夜な夜な鉄骨を片手に暴れまわる彼女は、死んでしまった悲劇のアイドルの亡霊である。
彼女の存在に対して、人間たちはもちろん、”怪異”たちも迷惑を被っていた。
そんな、都市伝説を相手にするのは、”怪異”になってしまった一人の少女と、”怪異”にさえ恐れられる一人の青年であった。
少女は”詭弁”と”頭脳”を武器に、青年は”肉体”と特異な”能力”を武器にして都市伝説に挑んでいく。
「虚構推理」は同名のミステリー小説のコミカライズ作品であるが、ミステリーとしての解は”ウソ”である。
怪異あり、虚構ありと”ウソ”まみれの異質なミステリーが楽しめる作品となっている。
(出典:『虚構推理』)
「虚構推理」の世界観
この作品のジャンルとしては”ミステリー”であり、登場人物たちは様々な謎解きをしていくことになる。
「虚構推理」の世界の中では、亡霊やカッパ、人魚、くだん、化け狸といった怪異が登場をしてくる。
(出典:『虚構推理』)
主人公たちはそんな怪異たちと自由自在に話をして、謎解きの手がかりを手に入れていく。
謎も”人間”が犯人のものから”怪異”が起こしたものまである。
人が死んだ瞬間の状況を幽霊に聞いてしまったりと、通常のミステリーではありえないようなこともどんどんとしていってしまう”邪道”ミステリーとなっている。
(出典:『虚構推理』)
主要登場人物たち
”怪異”にさえ恐れられる青年・桜川九郎
桜川九郎は一見普通の大学院生のように見えるが、その体には特異な体質を持っていた。
その体質は幼い頃に二種類の妖怪変化を食したことによって身につけてしまったものである。
九郎はこの体質によって、妖怪たちからは”恐ろしいもの”に見えてしまい恐怖の対象とされている。
九郎は力が宿った肉体を駆使して妖怪変化たちに立ち向かっていくことになる。
(出典:『虚構推理』)
”怪異”になってしまった少女・岩永琴子
岩永琴子は元人間でありながら、”知恵の神”になった少女である。
神になる代償として、幼い頃に右眼をくり抜かれ、左足を切断された。
(出典:『虚構推理』)
妖怪たちに対して人間と妖怪のトラブルや妖怪同士のトラブルを解決する知恵を授ける役割を担う。
彼女が探偵役として、怪異たちとのコミュニケーションを取りながら様々な謎に挑んでいく。
明るくはっきりとした性格であり、九郎のことが好きで、会うたびに溢れる愛をぶつけている。
(出典:『虚構推理』)
鋼人七瀬
”鋼人七瀬”は、夜な夜な鉄骨を片手に暴れまわる亡霊である。
その正体は悲劇の中で死んでいってしまった元アイドルである。
彼女の暴挙に困り果てた妖怪たちは、”知恵の神”である岩永琴子に助けを求めてきた。
彼女はなぜ暴れまわっているのか?
”鋼人七瀬”を退治するために九郎と琴子は”知恵”と”肉体”を駆使して戦っていく。
(出典:『虚構推理』)
弓原紗季
九郎には、結婚を約束した元恋人の弓原紗季がいた。
彼女は九郎の特殊な体質を知ってしまったが故に付き合い続けることができなくなり、別れてしまった。
そのトラウマを引きずっていて、牛肉と魚が食べられなくなってしまっている。
数年の時がたち、女性警察官になった彼女も”鋼人七瀬”の事件に巻き込まれていく。
(出典:『虚構推理』)
おすすめポイント
桜川九郎と岩永琴子のやりとり
「虚構推理」では、桜川九郎と岩永琴子のコンビのやりとりが面白い。
暴走する琴子を九郎がいなしてとの愉快な掛け合いが見られる。
”お兄さん”な九郎と”お子様”な琴子の様子が見られる。
(出典:『虚構推理』)
謎解きパート
謎解きは主に探偵役の”岩永琴子” が行っていく。
点と点が線に繋がったときの爽快感が凄まじい。
妖怪たちの力も借りつつ、謎解きをしていき、しっかりとミステリーとしても読みごたえいのある内容となっている。
(出典:『虚構推理』)
愉快な妖怪たち
漫画版には、様々なイラストの妖怪たちが登場をしてくる。
これが原作の小説版とは違う漫画版の魅力となっている。
次はどんな妖怪がでてくるのかと楽しみにしながら読み進めていくことができるようになっている。
(出典:『虚構推理』)
作者の別の作品
この漫画は漫画家・片瀬茶柴と原作者・城平京によって描かれている。
原作者・城平京が描いた代表的な作品としては絶園のテンペストがある。
終わりに
というわけで、怪異たちが登場をする異質なミステリー漫画である『虚構推理』を紹介した。
”怪異”になってしまった一人の少女と、”怪異”にさえ恐れられる一人の青年が都市伝説に挑んでいく。
異質ながらも謎解き要素にしっかりと読み応えがある。
同名小説のコミカライズ作品となっている。
『虚構推理』は、“推理”あり、“妖怪”あり、“都市伝説”あり、“恋”ありのミステリー漫画に興味がある人には、おすすめの作品となっている。
(出典:『虚構推理』)