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狼と人間のハーフのミューリと青年コルの旅路『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙』【小説感想】

 

聖職者になる夢を志す青年コルは、恩人のロレンスが営む湯屋「狼と香辛料亭」を旅立つ。

ウィンフィール王国の王子に誘われ、教会の不正を正す手伝いをするためである。

そんなコルの荷物には、狼の耳と尻尾を有した美しい娘ミューリが潜んでいた。

コルは狼の少女・ミューリと共に旅に出ることになってしまった。

『狼と香辛料』シリーズの続編となる新たな物語で、同じ世界観だが、主人公たちも変わり、全く違ったストーリで話が進んでいく。

「狼」と「羊皮紙」。

いつの日にか世界を変えるかもしれない、二人の旅が幕を開ける。

 

「新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙」のここが面白い

ロレンスとホロの娘・ミューリ

長い旅の末に、温泉地ニョッヒラに湯屋「狼と香辛料亭」を開くことができたロレンスとホロの二人。

人間のロレンスと狼のホロの間には、一人の娘・ミューリが生まれた。

ロレンス、ホロ、ミューリに、仕事を手伝ってくれている青年・コルたちを加えて仲良く、楽しく暮らしていた。

しかし、そんなコルの元へ教会にまつわる話が舞い込み、居ても立っても居られなくなったコルは、住みなれた村から旅立つことを決意した。

コルに気があったミューリは、離れ離れになるのが嫌で、ロレンスたちに黙ったままで一緒に旅に出てしまう。

こうして、コルとミューリの二人っきりの旅が始まった。

 

聖職者を志す青年・コル

ロレンスたちの仕事を手伝っていた青年コルだが、 彼は聖職者を志して日々勉強をしていた。

そんな、彼の元に来た「教会の不正を正す」仕事に、コルは加わることを決意する。

一人っきりで旅に出たかと思いきや、荷物の中にミューリが潜んでいて、捕まってしまう。

幼いミューリを一度は送り返そうとした、コルだったが、結局ミューリに押されて、仕事を邪魔しない条件で旅の同行を許すことになる。

しっかり者のコルだが、女関係には疎く、ミューリのコルを思う気持ちには全く気づいていない。

旅は、”思うもの”と”思われるもの”の二人っきりでの時間になる。 

 

未熟者の2人の日々

前のシリーズの『狼と香辛料』のメインキャラクターのホロとロレンスの二人。

彼らの場合、ホロは何百年も生きた堅狼であるので博識であり、ロレンスもプロの行商人である。

二人は、様々な知識を持った成熟した大人で、その知識を活かしてあらゆる困難に立ち向かっていった。

一方で新シリーズのコルとミューリの場合、彼らは二人ともまだまだ未熟者で知識も経験も浅い。

そんな二人を襲うトラブルの数々。

彼らは、彼らなりに知恵を振り絞ってトラブルへと立ち向かっていくのだが、その姿が新シリーズでの見どころとなっている。

 

終わりに

というわけで、「狼と香辛料」の新シリーズの『親説 狼と香辛料 狼と羊皮紙』を紹介した。

青年コルと狼と人間のハーフのミューリの二人が旅に出る。

未熟者の二人なのだが、彼らなりに知恵を振り絞って、トラブルの数々に立ち向かっていく。

前回のシリーズが好きだったファンにとっては、嬉しい新シリーズであり、また前のシリーズを読んでなかったとしても楽しめる内容となっている。

コルとミューリの旅路を見てみたい人には、おすすめのライトノベルとなっている。

 

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